壱町田湿地の様子 2025年12月20日

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ページ番号1006229  更新日 2025年12月20日

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12月に入ると北海道や東北地方を始め、列島の日本海側や山間部では、降雪の予報が連日のように聞かれるようになりました。太平洋側の比較的温暖な壱町田湿地でも、冷たい季節風が吹く日が増えてきました。湿地植物がオフシーズンに入ると、湿地の草刈りや雑木林の間伐などの保全作業のシーズンに入ります。

写真:オオキンカメムシ

伐採した枝葉を積み込んでいると、ヒサカキの枝葉の間から艶々したきれいなカメムシが現れました。濃いオレンジ色の体に黒い斑点、腹側に見える黒とピンクの模様も鮮やかです。普段は見かけない姿のカメムシ、調べてみるとオオキンカメムシ(キンカメムシ科)のようです。熱帯系の昆虫で、冬は温暖な沿岸部の常緑広葉樹の枝先などで越冬するようです。

写真:ヤツデ

打ち上げ花火のように見えるヤツデ(ウコギ科)の花。花が少ないこの時期に雑木林でよく目立ちます。見ていると、ハエやハナアブなどの虫も来ています。写真では左と右で花の様子が違います。花弁が開き、雄しべを伸ばしているものと、花弁も雄しべも見当たらず花柱が目立つものとがあります。ヤツデの花には雄性期と雌性期があり、雄性期の後に雄しべや花弁が落ち雌しべが成熟するのです。

写真:クチナシ

こちらは少し変わった形の実、クチナシ(アカネ科)の実です。クチナシは常緑の低木で西日本の山地に自生しますが、庭木でもよく植栽されています。実の先に尖って見えるのはがく片で、6本突き出ています。芳香のある白い花もきれいですが、少し変わった黄色い実も面白いと思いませんか?

写真:サルトリイバラ

赤く色づいたサルトリイバラ(サルトリイバラ科)の実です。サルトリイバラは雌雄異株のつる性の落葉低木で、山野や丘陵の林縁や林内に自生しています。つるのように伸びた茎には少し曲がった刺がまばらについており、刺のある茎に猿が引っかかって捕えられてしまうということからこの名がついたようです。

写真:ウメバチソウ

11月の中旬から咲き始めたウメバチソウは、12月の下旬近くなると実をつけ始め、ウメバチソウの花期も終盤に近付きました。実が熟し、種ができるまでにはもうしばらくかかりそうですが、種がこぼれる1月の下旬から2月の上旬には、来シーズンに向けての最終の草刈り作業を行う予定です。

写真:ミミカキグサ

湿地内で草刈りを終えた場所では、地面にしがみつくようにずいぶん小さくなったミミカキグサの花がポツリポツリと咲いています。地表にはミミカキグサの葉は見られません。約半年間にわたって花を咲かせてきたミミカキグサも冬の眠りに入ります。

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