壱町田湿地の様子 2024年8月20日

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ページ番号1005309  更新日 2024年8月20日

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梅雨明け以降、盆までは殆ど降水がなく猛暑日が続きました。7月と8月の一般公開は炎天下での開催で熱中症への警戒も「危険」レベルになり、来場者数は例年に比べて少なくなりました。8月に入るとシロバナナガバノイシモチソウの開花はピークを過ぎ、立秋あたりから壱町田の湿地植物の主役は他の植物に代わり始めました。

写真:ホザキノミミカキグサ

シロバナナガバノイシモチソウの群落の間から頭をのぞかせているのがホザキノミミカキグサ(タヌキモ科)です。ミミカキグサの中では最も大きく、大きい個体では花茎が30センチメートル近くにもなります。長く伸びた花茎に穂のように花がついています。シロバナナガバノイシモチソウが倒れこんでいくのとは反対に、ホザキノミミカキグサは花茎をぐんぐん伸ばしていきます。

写真:ヒメミミカキグサ

ホザキノミミカキグサ同様、夏の終わりにかけて開花数が多くなっていくのがヒメミミカキグサ(タヌキモ科)です。写真で黄色い花のミミカキグサの左隣で淡紫色の小さな花を咲かせているのがヒメミミカキグサです。姿・形は世界最小の食虫植物で、大きい個体でも高さ1センチメートル程度です。花茎は髪の毛くらいの太さでしょうか、地面に近寄って探さないとなかなか見つかりません。

写真:シラタマホシクサ

湿地の所々ではシラタマホシクサ(ホシクサ科)が見られるようになってきました。まだ花は小さいですが、数株が群生すると白い星を散りばめたように見えます。シラタマホシクサは東海地方固有の湿地植物で、9月の一般公開では、湿地の所々に散らばって咲くシラタマホシクサの花が見られることと思います。

写真:イヌノハナヒゲ

湿地のあちらこちらで草むらを作るように繁茂しているのはイヌノハナヒゲ(カヤツリグサ科)です。湿地に生育する多年草で、細長く伸びた茎に茶色の小穂をつけています。細長く伸びた植物体の様子を「犬の鼻髭」に見立ててこの名がついたようですが、名前を聞いてこの花を見ると茶色の小穂が犬の鼻の頭が並んでいるようにも見えてくるのは私だけでしょうか。

写真:ミカワシンジュガヤ

こちらもカヤツリグサ科の植物でミカワシンジュガヤです。イヌノハナヒゲ同様に日当たりのよい湿地に生育する植物で、B湿地の中央辺りに群生しています。ミカワシンジュガヤは湿地環境の減少から愛知県では絶滅危惧2類に指定されています。夏の後半からは、湿地の上部や周辺部でヌマガヤを始め、こういった草丈の高い植物が繁茂するようになってきました。

写真:ミズギク

こちらの花はミズギク(キク科)です。日本固有種で山野の湿地に生育する多年草です。写真は保護区域内北側の水路で生育しているものを8月上旬に撮影したものです。壱町田湿地では便宜上AからDの名をつけて湿地を保全管理していますが、それらの湿地で個体数が減少しそうな植物を北側の水路を利用して保全や回復する試みをしています。

令和6年の壱町田湿地一般公開の予定は、7月21日(日曜)、8月3日(土曜)・4日(日曜)、9月14日(土曜)・15日(日曜)の5日間です。

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