壱町田湿地の様子 2024年11月20日
11月も中旬になると壱町田湿地にも紅葉の季節がやってきます。紅葉といってもモミジなどは無く、常緑樹が多い雑木林の中でハゼやヌルデの赤く色づいた葉やアカメガシワやヤマイモの黄色く色づいた葉が所々で小さな秋を演出しています。
写真はD湿地の背後の斜面の様子です。クズやヤマイモの蔓が木を覆うように伸びています。蔓植物は林の手入れには厄介な相手ですが、この時期のヤマイモの葉は黄色がきれいです。後ろの方ではハゼの葉が赤く色づき始めています。かぶれることから厄介者扱いされることの多いハゼですが、こちらも秋の深まりとともにきれいになっていきます。
D湿地のヒメガマ(ガマ科)の群生。枯れた葉の間からフランクフルトのような「ガマの穂」がニョキニョキと突き出ています。これは雌花の集まりで、冬になるとこの穂がほぐれて、綿菓子のようなたくさんの種が出てきます。この種はタンポポの綿毛のように風に乗って飛んで行きます。ガマは地下茎でも広がるため、2年ほど前にかなり除去したのですが、今は再び池全体に広がっています。
雑木林の北側にムクロジ(ムクロジ科)、アオギリ(アオイ科)、ヒトツバタゴ(モクセイ科)の大きな落葉樹が並んでいます。ムクロジやアオギリの葉がわずかに黄色く色づいています。夏の間は葉に覆われて空が隠れていましたが、葉が落ち始めだんだんと空が見えるようになってきました。木の下にはムクロジの実がたくさん落ちていました。
11月の上旬、学習広場横の林床でコウヤボウキ(キク科)の花が咲きました。以前はすぐ横のクスノキの陰になって花数が少なかったのですが、クスノキを間伐したところ林床が明るくなり、花が多くつくようになりました。日照が植物にとっていかに大事かよく分かります。これからの時期は枯草刈りと雑木林の間伐が保全作業の中心になってきます。
11月初旬にD湿地手前の斜面で紫色のきれいな花を咲かせていたスズカアザミ(キク科)。秋に愛知県の里山で普通に見られるアザミで、日当たりのよい山野に生え、東海地方から鈴鹿山脈にかけて分布しているとのことです。初夏に見られるノアザミもそうですが、緑の草むらの中できれいな紫色の花が目を引きます。
11月中旬になり、ようやくウメバチソウ(ニシキギ科)の花が咲き出しました。令和5年も開花が遅かったのですが、6年は更に遅くなりました。それだけ暑い日がいつまでも続いたということでしょう。湿地では、ずいぶん小さくなったミミカキグサ類が所々に点々と見られますが、壱町田湿地に咲く花のシーズン最後を飾るウメバチソウの花です。
より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
歴史民俗資料館
〒470-2336 愛知県知多郡武豊町字山ノ神20番地1
電話番号: 0569-73-4100
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。(外部リンク)