壱町田湿地の様子 2024年4月20日

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ページ番号1004909  更新日 2024年4月20日

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3月から4月にかけては日によって寒暖の差が大きく、桜の開花も例年に比べて遅いところが多かったようです。しかし、4月に入ると暖かい日は初夏の陽気になり、コブシやシュンランなど山野の花も一斉に咲き出しました。また、降水量が多いこともあって湧水量が多く、湿地は非常に湿潤な状態です。シロバナナガバノイシモチソウが4月中旬に発芽し始めました。

写真:シュンラン

3月末からはシュンラン(ラン科)が咲き始めました。シュンランは日本各地に分布する野生ランの一つで、春に咲くことから「春蘭」と名が付いています。里山や雑木林などに自生する常緑の多年草で、淡緑色の花被片は新緑の出そろう前の雑木林では新鮮です。

写真:チゴユリ

4月に入ると日当たりのよい林床ではチゴユリ(イヌサフラン科)が咲き始めました。チゴユリは多年草で種子の他にも地下茎で増えていくので、条件がよい場所で群生しています。保護区内では観察路沿いの2カ所で群生を見ることができます。日照具合の違いからか場所によって咲き具合に差が見られます。

写真:コブシ

4月初旬、A湿地の東側でコブシ(モクレン科)の花が咲いていました。落葉高木で、蕾の形からコブシ(拳)と名がついているようですが他にも諸説あるようです。可憐な白い花が春の訪れを告げています。壱町田では花が開き始めるとムクドリがやってきて蜜を吸うために花弁をついばむので、きれいな花の状態で見られるのはわずかな間です。

写真:クロバイ

季節外れの陽気に、4月半ばにはクロバイ(ハイノキ科)の花が一気に咲きました。クロバイは温暖な山地に自生する常緑高木で、幹の色は黒褐色、材を焼いた灰汁を染色に使うことから「黒灰」と名がついています。葉の色も深緑色で樹全体が黒っぽく見えるのですが、花が咲くとまるで綿帽子をかぶったように雑木林の中で目立っています。

写真:ムベ

同じ頃、雑木林の林縁ではムベ(アケビ科)の花が咲いていました。ムベは常緑でつる性の木です。花には雌花と雄花がありますが、写真の花は雄花です。秋にアケビと似た実が成りますが、熟してもアケビのように実が割れることはありません。壱町田にはミツバアケビの木も生えており、春になるとムベの花より少し早く咲き出します。

写真:シロバナナガバノイシモチソウ

寒の戻りがあったため、なかなか発芽を確認できなかったシロバナナガバノイシモチソウ(モウセンゴケ科)ですが、4月12日に発芽を確認しました。写真では本葉が開いている(2ミリから3ミリ)ので、実際はもう少し早く発芽していたと考えられます。開いた本葉の腺毛には粘液の水滴が光って見えます。

令和6年の壱町田湿地一般公開の予定は、7月21日(土曜)、8月3日(土曜)・4日(日曜)、9月14日(土曜)・15日(日曜)の5日間です。

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