壱町田湿地の様子 2022年8月15日
7月と8月の一般公開では、多くの方に湿地の様子をご覧いただきました。今年は短い梅雨と6月下旬の猛暑で湿地植物の様子も何となくいつもと違います。シロバナナガバノイシモチソウは7月には最盛期を終え、8月には株数がかなり減りました。それに対し、ヒメミミカキグサやムラサキミミカキグサが好調で、7月から数多く開花を確認しています。
8月3日には武豊町に新しく赴任した教員の研修があり、壱町田湿地も見学しました。愛知県の天然記念物に指定されている湿地植物の群落は、他の場所ではあまり見ることのできない武豊町の貴重な宝です。教育の場でも活用してくれることでしょう。
一般公開は天候にも恵まれ、湿地の食虫植物を中心に、小さな花々が咲く様子を見てもらうことができました。A・Bの両湿地には「壱町田湿地を守る会」のメンバーが説明に入り、肉眼では捉えにくい小さな花もスコープを通して観察してもらいました。
会場では、湿地植物に加えて、武豊町で採集された昆虫の標本なども展示してあります。見学者の多くは興味深く標本を眺めては関心を高めていかれます。図鑑で見るのとは違う質感に、昆虫好きの人は目を輝かせているのでは…
7月の公開日にはこんな一場面も‥大きな獲物をくわえたベッコウクモバチ(クモバチ科)が、本部テントのある学習広場を縦断していきました。クモバチの仲間はクモを仮死状態で巣穴まで運び卵を産み付けます。卵からかえった幼虫はクモを餌に育つのです。多くのギャラリーが見つめる中、ハチは餌を運んで茂みの中へ消えていきました。
今年、湿地では見られなかったモウセンゴケ(モウセンゴケ科)がB湿地の東の傾斜地の下にある小さな池のほとりで数株自生しているのが確認されました。湿地にはトウカイコモウセンゴケ(モウセンゴケ科)が多く見られるのですが、モウセンゴケは見られなくなっていました。湿地の周りも含め貴重な環境です。
昨年より少し早い気がしますが、シラタマホシクサ(ホシクサ科)が花をつけ始めました。まだ花茎は短く、花も小さいものが多いですが、秋の公開では湿地のあちらこちらに星を散りばめたようなシラタマホシクサの群落を見ることができると思います。
次回の一般公開の予定は、9月17日(土曜)、9月18日(日曜)の2日間です。
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