壱町田湿地の様子 2025年10月20日

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ページ番号1006114  更新日 2025年10月21日

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ようやく暑さが落ち着いてきたと思ったら、もう10月の中旬です。10月の初旬はツクツクボウシが盛んに鳴いていましたが、次第に声も小さくなり、夏から秋へと季節が動き始めたようです。湿地では周辺のススキや、ヌマガヤの穂が目立つようになってきました。

写真:ホタルガ

10月初旬の壱町田湿地の雑木林内を蝶のようにヒラヒラと飛ぶ蛾がいました。両側に白い帯の入った黒い影が木々の間を漂っているようにも見えます。ホタルガ(マダラガ科)です。赤い頭と黒い体色がホタルに似ていることから、ホタルのような蛾ということです。幼虫の食草であるヒサカキは、湿地周辺の雑木林を構成する主だった木の一つです。

写真:ジョロウグモ

雨上がりの観察路では、ジョロウグモ(ジョロウグモ科)の巣に細かな水滴のビーズがついていました。壱町田湿地にはクモが多いのですが、秋になり一段と大きな巣を張るようになるジョロウグモは、大きくなった体と派手な体色が目立ちます。大きくて巣の中心部に構えている方がメス、その上方にいる地味で小さめなのがオスです。

写真:コガタスズメバチ

暑さが落ち着いてくると、イワショウブ(チシマゼキショウ科)の花が開き始めました。A湿地の上の方できれいに群れ咲いているのを写真に撮ろうとしていたら、コガタスズメバチ(スズメバチ科)がやって来ました。スズメバチは樹液を舐めたり昆虫を捕らえたりするものだと思っていたのですが、花の蜜も舐めて栄養にするようです。

写真:ヨウシュヤマゴボウ

保全地域内の片隅に生えているヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)は、北アメリカ原産の帰化植物です。以前は道端の空き地や草地でよく見かけましたが、最近はあまり見かけなくなりました。黒紫色の実をつぶすと赤紫色の汁が出て、手や服につくとなかなか色が落ちません。昔は染料として使われていたようです。ゴボウと名がついていますが、有毒で食べられません。

写真:ミゾソバ

こちらはソバ。ソバはソバでもミゾソバ(タデ科)の花です。ソバが山間の耕作地や乾燥した土地でも栽培されるのに対し、ミゾソバは湿地や畔など湿潤な環境を好みます。溝などの湿った所に生育し、ソバに姿が似ていることからこの名がつきました。その実は食用にはなりませんが、花は白に薄紫がかった可愛い花です。湿地の片隅にできた群落は、小さなソバ畑のようです。

写真:シロイヌノヒゲ

シラタマホシクサの盛りが過ぎた湿地では、シラタマホシクサと同じホシクサ科のイヌノヒゲの花が見られるようになります。湿地の特に湿潤な場所に生育する1年草で、シラタマホシクサと同様に、花茎の先に白く短い短毛を密生した一つの頭花をつけますが、頭花の周りには先の尖った総苞片が襟巻のように見られるのが特徴です。写真はシロイヌノヒゲだと思われます。

令和7年度の公開は終了しました。暑い夏でしたが5日間で518人の方にご来場いただきました。ありがとうございました。

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