壱町田湿地の様子 2021年1月20日

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ページ番号1002298  更新日 2022年10月21日

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壱町田湿地は、海抜32mあたりの地層から染み出る地下水によってできた湧水湿地です。場所によってA・B・C・Dと4つに区分けして湿地を保全管理しています。中でもA・Bの湿地は、貧栄養の土壌にミミカキグサやモウセンゴケの仲間の食虫植物が生育する希少な湿地です。しかし、周囲の土地改良によって地下水が減少したのか、A・Bの湿地の地表を潤す水量が不足するため、現在は別の場所から流れ出る湧水を補給散水しながら両湿地を保全しています。

冬のこの時期に観察しやすいのがその湧水源です。夏場は草木が茂って近づきにくいのですが、冬場は湧水の染み出る辺りの様子を容易に見ることができます。傾斜地から染み出た湧水は小さな沢を作り、C湿地の脇を流れ下ります。沢を流れる湧水の水温は、夏は19℃前後、冬は15℃前後です。沢を流れる湧水を1.6立方メートルほどの貯水タンクに溜め、それをポンプで汲み上げてA・B湿地に散水しています。

前回に続いて壱町田湿地の保護区内のシダ植物をいくつか紹介します。

ウラジロ(ウラジロ科)は正月飾りなどに用いられ、よく知られるシダ植物です。一対の葉(羽片)の間から葉柄が伸び、その先端から新たに一対の葉が出るため、毎年葉を延ばして葉の段が積み上がっていきます。地上から上に伸びた葉柄と、段になってつく羽片全部が一枚の葉で、その先端は無限に伸びることができるそうですが、日本本土では三段くらいで終わるそうです。胸元まで埋まるウラジロの群生地の茂みは、正月飾りのウラジロからは想像しにくい様相です。

コシダ(ウラジロ科)は硬い葉を持つシダ植物で、葉の主軸から左右対称に羽片を広げること、毎年主軸の先端から新たな主軸と羽片を伸ばしながら成長することなど、様々な点でウラジロに似ています。貧栄養の土壌に好んで生育し、乾燥した斜面によく出ます。

ベニシダ(オシダ科)は、日本(本州以南)を含む東アジア南部、南はフィリピンまで自生し、草原や明るい林内などによく見られるシダ植物です。ウラジロやコシダほどの群落はありませんが、壱町田湿地の保護区内でも観察路を歩くと一番よく見かけるシダ植物です。常緑性で若葉は赤いことからこの名があり、また若い胞子嚢も赤いです。

<観察場所>ウラジロ:B湿地南東傾斜地 コシダ:B湿地周辺 ベニシダ:観察路周辺

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