壱町田湿地の様子 2025年5月20日

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ページ番号1005711  更新日 2025年5月24日

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5月は週末毎に雨が降り降水量も増えてきましたが、依然として湿地は乾き気味で、水の管理に気を遣う日が続いています。令和7年の春は各地の湿地で植物の開花が遅れるなど、例年とは少し様子が違うような話も耳にします。

写真:ムカシヤンマ

4月の終わりになると湿地周辺にムカシヤンマ(ムカシヤンマ科)の姿が見られるようになります。一見するとオニヤンマのように見えますが、壱町田湿地ではオニヤンマは盛夏の頃に現れます。ムカシヤンマのヤゴは水中ではなく、湿った苔が繁茂するような環境で数年を過ごした後、羽化するとのことで、D湿地北側やC湿地の湧水源近くが生息場所かもしれません。

写真:カキツバタ

5月上旬からはアヤメ科の花が咲き始めました。愛知県の県花であるカキツバタがD湿地及び保全区域北側のフェンス近くで咲いていますので、壱町田湿地近辺を散策しているとフェンス越しに見ることができます。アヤメやハナショウブに比べ湿潤な湿地の環境を好み、青紫の花弁に白っぽい筋が見られるのが特徴です。

写真:キショウブ

カキツバタと並んで目を引くのがキショウブ(アヤメ科)で、こちらもフェンス越しに見られます。大きな黄色の花は目を引き観賞用には向くかもしれませんが、実は外来種で旺盛な繁殖力から、在来種との競合・駆逐等の恐れがあるとして要注意外来生物に指定されている植物です。壱町田湿地でも分布が広がらないよう気を付けていく必要があります。

写真:ノグサ

この時期、保全区域北側のフェンス沿いで花をつけている貴重な植物があります。愛知県で絶滅危惧1B類に指定されているノグサ(カヤツリグサ科)です。写真のように一見何の変哲もない草ですが、湧水湿地のような環境に生育するため、このような環境がなくなると見られなくなってしまいます。こちらは積極的に保護していく必要があるのです。

写真:トウカイコモウセンゴケ

4月下旬からトウカイコモウセンゴケ(モウセンゴケ科)がポツポツと開花し始め、5月中旬には湿地の所々で写真のように花が見られるようになりました。湿地の中でもやや乾き気味の場所を好み、分布範囲を広げているように思います。それだけ湿地の乾燥化が進んでいるのかもしれません。増えすぎるとトリバガの発生が心配され、気をつけていかなければなりません

写真:シロバナナガバノイシモチソウ

4月2日に発芽を確認したシロバナナガバノイシモチソウ(モウセンゴケ科)は、1カ月半ほど経ち成長の早い個体では写真のように茎が立ち始めました。葉の線毛の先に黒く汚れて見えるのは捕えた虫の跡です。観察していると、どれだけ虫を捕えられるかで成長の度合いが左右されるようです。開花するまで上手く育って欲しいものです。

令和7年度の公開予定は、7月20日(日曜)、8月2日(土曜)、3日(日曜)、9月13日(土曜)14日(日曜)の5日間です。

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