壱町田湿地の様子 2025年6月20日
令和7年の東海地方の梅雨入りは6月9日で、梅雨入り早々にまとまった雨が降りました。これで湿地も潤うかと思いましたが、1週間後からは梅雨の中休みを思わせる真夏日が続いています。ミミカキグサ類の姿はまだ見られませんが、気温の上昇とともにシロバナナガバノイシモチソウが咲き出しました。
壱町田湿地を守る会の6月の作業は湧水の貯水タンクの清掃と湧水が流れる沢の清掃です。壱町田湿地は後背地となる丘陵の雑木林を農地開発事業や宅地化によって、その多くを失い、湧水が豊富に出る状況にはありません。干ばつ対策として設置した湧水の貯水タンクは壱町田湿地を支える心臓部のような役割を果たしています。毎年清掃をしてタンクに流れ込む水量を計測しています。令和7年6月の時点の流水量は毎分28リットルで少なめでした。
貯水タンクの清掃と並行して湧水が流れる中央の沢の草刈りも行いました。上流へと刈り進んでいくと、水源付近の様子も確認できました。写真はその様子です。砂礫の層の上に黒っぽい土壌の斜面が乗っています。湧水は砂礫と土壌の間から染み出しています。周囲にはこのような場所が数か所あり、その湧水が集まって沢になっています。この場所の湧水は年間を通して枯れることはありません。
B湿地沿いではカキラン(ラン科)が見頃を迎えています。以前、盗掘の被害にあって無くなりかけたカキランですが、守る会の努力によって写真のように群落をつくるまでに回復してきました。花の色の感じが柿の果実の色に似ていることからカキラン(柿蘭)と呼ばれています。やや濃いめの黄色が初夏の湿地を彩っています。
壱町田湿地でヌマガエルと並んでよく見られるニホンカナヘビ(カナヘビ科)です。草むらの間でじっとしている所を捉えました。お腹が膨らんでいるように見えます。春から夏にかけて交尾し産卵するので、お腹の中には卵があるのかもしれません。
6月中旬になってようやくモウセンゴケ(モウセンゴケ科)の開花を確認しました。A湿地の上部で数株がかたまって生えています。壱町田湿地ではモウセンゴケの個体数が少なく貴重な存在です。一般公開の頃には花が散っているので、なかなか見ることはできませんが、令和7年も無事に咲いてくれました。
4月2日に発芽を確認したシロバナナガバノイシモチソウ(モウセンゴケ科)は、6月12日に開花を確認しました。全体としては小さな個体が多く、株数も少ないように感じます。写真は17日に撮影したものですが、梅雨入り以降、湿地が潤い気温が高い日が続くようになると、成長のスピードが増し開花数も一気に増えてくると思われます。
令和7年度の公開予定は、7月20日(日曜)、8月2日(土曜)、3日(日曜)、9月13日(土曜)14日(日曜)の5日間です。
また、7月26日(土曜)には町民会館で「湿地サミット」が行われます。壱町田湿地について、より詳しく知ることができます。
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