壱町田湿地の様子 2024年1月20日

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ページ番号1004660  更新日 2024年1月20日

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2024年は能登半島での大地震災害から始まりました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。考えてみると、湧水湿地には、地殻変動など何らかの理由によって傾斜地の崩落が起こった所に、地下水が滲み出してできたものも少なくないと思います。そして、そのような環境に新しい生態系ができあがってきた。壱町田湿地もそのような場所の一つだと思われます。今回は冬枯れの湿地で、足元の緑を探してみました。

写真:オオミズゴケ

C湿地で枯れた草を刈り払うと、その下からオオミズゴケ(ミズゴケ科)の群落が姿を見せます。A湿地やB湿地の周辺でも小さな群落が見られます。ミズゴケ類は保水力が大きいので園芸用に使われ、乱獲の被害にあっています。そのため、オオミズゴケは準絶滅危惧に指定されています。壱町田湿地でも貴重な植物の一つです。

写真:トヤマシノブゴケ

C湿地のオオミズゴケ群落に隣接して別の種類の苔が見られます。壱町田湿地では11種類の蘚類が報告されていますが、この写真はその中のトヤマシノブゴケ(シノブゴケ科)と思われます。シダ植物を小さくしたような3回羽状の枝ぶりです。同じような環境で生育しているのに、オオミズゴケと上手に住み分けているようです。 

写真:アカイチイゴケ

観察路から林床に目をやると落ち葉の合間にも苔が見られます。これはアカイチイゴケ(ハイゴケ科)だと思われます。日当たりのよい場所では葉が赤紫色になり、葉がイチイの木の葉に似ていることからこの名がついています。

写真:カガミゴケ

近くのマツの木の根元に目をやると、このような苔が見られました。カガミゴケ(コモチイトゴケ科)だと思われます。カガミゴケは樹幹の根元近くや倒木上に多く見られ、ツヤのある緑色の葉の光沢を鏡に見立ててこの名がついているようです。

写真:ホソバオキナゴケ

こちらもマツの根元近くで見られた苔、ホソバオキナゴケ(シラガゴケ科)だと思われます。シラガゴケ科の苔は乾燥に強く、葉が白緑色をしていることから「翁」「白髪」などの名がついていることが多いそうです。盆栽や苔庭によく用いられています。

写真:ヒカゲノカズラ

こちらはヒカゲノカズラ(ヒカゲノカズラ科)、シダの仲間です。B湿地の一角、湿地の中でも少し乾いた場所に生育しています。夏の間は他の草に覆われて分かりづらいのですが、冬枯れの草むらでは緑色の杉の葉のような姿が目によく留まります。

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