壱町田湿地の様子 2023年8月20日

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ページ番号1004437  更新日 2023年8月24日

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暦の上では秋なのですが、まだまだ猛暑日が続きます。幸いにも台風7号の大きな影響は受けずに済み、日照りが続いていた湿地に久しぶりの降水がありました。湿地ではシロバナナガバノイシモチソウに代わってシラタマホシクサの白い花が目に付くようになってきました。

写真:シラタマホシクサ

8月の一般公開では蕾の状態だったシラタマホシクサ(ホシクサ科)が、湿地の所々で群れ咲き始めました。シラタマホシクサは静岡県西部から三重県北部にいたる伊勢湾周辺の丘陵の湿地に自生する東海地方固有の一年草で、絶滅危惧2類に指定されています。

写真:ホザキノミミカキグサ

ホザキノミミカキグサ(タヌキモ科)は日本産のミミカキグサの中では最も大きく、花茎が30cm近くになるものもあります。ムラサキミミカキグサと似ていますが、下唇弁に見えるくし型の白い斑紋が目印です。花序が穂のように見えることから「穂咲きの耳かき草」と名前がついています。

写真:ヒメミミカキグサ

ヒメミミカキグサ(タヌキモ科)は、姿形は世界最小の食虫植物で、伊勢湾周辺の数カ所でしか見られない極めて貴重な植物です。姫と名がついているのは小さいという意味です。草丈が数ミリで、一般公開では単眼鏡を通して見ることができます。絶滅危惧1B類に指定されています。

写真:シオカラトンボ

8月も後半に入ると、オオシオカラトンボに代わってシオカラトンボ(トンボ科)が多くみられるようになりました。写真はシオカラトンボのオスとメスです。オスの胴体は塩をふったように白っぽい色をしています。それに対しメスは黄色っぽい色をしており、ムギワラトンボとも呼ばれています。よく見ると複眼の色にも少し違いがあり、オスは青っぽいのに対し、メスは緑っぽい色をしています。

写真:湿地1

湿地の中央部では一面ミミカキグサ(タヌキモ科)などが繁茂しています。この時期は地下の水位が上昇し、地表を水が浸しています。こういった場所では丈の高い植物はあまり見られず、丈の低い湿地植物が湧水湿地表面をカバーしているといった感じです。

写真:湿地2

それに対し、湿地の周辺部では丈の高い湿地植物が旺盛です。イヌノハナヒゲ(カヤツリグサ科)やシンジュガヤ(カヤツリグサ科)、ヌマガヤ(イネ科)などの多年草が根を張り、草むらを形成しています。秋が近づき、穂を伸ばしたこれらの植物は、花こそ地味ですが今が真っ盛りです。

令和5年の公開予定は、7月23日(日曜)、8月5日(土曜)、6日(日曜)、9月9日(土曜)10日(日曜)の5日間です。

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