壱町田湿地の様子 2023年4月20日
4月も暖かい日が多く、気温の上昇も2週間ほど早いようです。日差しが強くなり、木々が若葉を展開するため揚水量が増すこともあり、地下の水位は低く湿地は乾燥気味です。そんな中、シロバナナガバノイシモチソウが発芽し始めました。
写真は4月4日にA湿地の地表面を写したものです。小さな十字形のキラキラした葉が分かるでしょうか?腺毛が輝いて見えるシロバナナガバノイシモチソウ(モウセンゴケ科)の葉です。写っているマツの落葉と比べてもその小ささが分かると思います。適度な湿り気のある場所によく出てきます。
あまり目立ちませんが、愛知県で絶滅危惧1B類に指定されているノグサ(カヤツリグサ科)です。湧水湿地のような環境が少なくなっているため、壱町田湿地でも保護していく必要のある貴重な植物の一つです。4月中旬から花をつけ、小穂の先に雌しべが見えています。
3月下旬にはシュンラン(ラン科)が咲き始めました。シュンランは日本各地に分布する野生ランの一つで、春に咲くことから「春蘭」と名が付いています。里山や雑木林などに自生する多年草で、淡緑色の花被片は新緑の出そろう前の雑木林では新鮮です。
4月に入ると林床ではチゴユリ(イヌサフラン科)が咲き始めました。チゴユリは多年草で種子の他にも地下茎で増えていくので、条件がよい場所で群生しています。保護区内では観察路沿いの2カ所で群生を見ることができます。百合の花に似た小型の白い花が茎の先に斜め下を向きながら咲きます。
シュンランに続いて4月上旬からエビネ(ラン科)も咲き始めました。エビネは環境省のレッドリストの準絶滅危惧(NT)に指定されている種です。保護地内には数か所で生育していますが、日の当たり具合や温かさなどの違いから咲き始めるタイミングも少しずつ違います。
気温が高い日が多く、4月中旬からはハルゼミの鳴声も聞かれるようになりました。そのような中、4月20日にムカシヤンマ(ムカシヤンマ科)の飛翔を確認しました。ムカシヤンマの幼虫(ヤゴ)は水中で生活するのではなく、湿った苔の中で生活し、成虫になるのに約3年かかると言われています。
令和5年の公開予定は、7月23日(日曜)、8月5日(土曜)、6日(日曜)、9月9日(土曜)10日(日曜)の5日間です。
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