壱町田湿地の様子 2023年1月20日
12月の末には強い寒気の流れ込みがありましたが、穏やかな年明けとなり1月は比較的暖かい日が多く感じます。湿地の枯草の刈取作業を終え、枯草に覆われていた湿地の表面が顔を出しました。知多地方の冬は降水量が少なく地下の水位も下がるので、湿地表面も乾き気味です。
A湿地の様子です。土壌は薄く、小石や礫まじりの地表が見えます。
湿地の周囲にはヌマガヤやススキ、ネザサ等が生えていますが、湿地内への侵入が進まないように枯草はできるだけ地際まで刈っておきます。
こちらはB湿地の様子です。A湿地同様に枯草の処理をしました。画面中央より右は傾斜した湿地の下側にあたり、地下の水位が上昇すると表面が絶えず潤った状態になります。
C湿地の様子です。観察路を挟んでA湿地のすぐ隣になるのですが、湿った地表にはオオミズゴケ(ミズゴケ科)などが繁茂し、様子が全く違います。オオミズゴケは準絶滅危惧に指定されている貴重な植物のひとつです。
C湿地の枯草を刈り払っていくとショウジョウバカマ(メランチウム科)のロゼットが姿を見せました。場所によっては中心に花芽をつけている株も見られます。壱町田では3月の初旬から中旬に咲き始めますから、花茎が立ち上がるまでにはまだしばらくかかりそうですが、もう春の準備を始めているようです。
同じくC湿地の枯草の陰に隠れていたカンアオイ(ウマノスズクサ科)にも花が咲いていました。根元の地べたに埋もれるように茶色っぽい花が咲いているので、葉をめくって探してみないと分かりません。花弁はなく見えているのは萼片です。目立たずひっそりと咲く地味な花です。
刈り払われた枯草の間から越冬中のキチョウ(シロチョウ科)が出てきました。草の陰で眠っていたのかほとんど動きません。
草刈りは湿地の手入れのために行いますが、もう一方では寒さから身を守っている小動物や植物の毛布をはがしてしまうようなものですね。
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