壱町田湿地の様子 2022年11月15日
10月から11月にかけて、湿地では季節が一気に進んだように感じられます。シラタマホシクサやサワシロギクなど秋に咲いていた湿地植物の花は枯れ、種を落とし、勢い良く伸びていた葉や茎も倒れ始めました。そんな中、花を咲かせている植物もあります。
朝9時過ぎのA湿地の様子です。夏の頃には暑い日差しが照り付けていた湿地ですが、太陽高度が下がり、周囲の木立の影が入り込むようになりました。シラタマホシクサの群生はドライフラワーのようです。
A湿地の片隅ではヌマガヤなど葉の間からスイラン(キク科)の花が顔を覗かせていました。スイランは湿地に生育する多年草で、ほっそりとした茎が高く立ち上がり、黄色の舌状花が冬枯れの湿地の中で目立ちます。
11月に入ると、B湿地では梅鉢紋の形に似たウメバチソウ(ニシキギ科)の白い花が咲き始めました。ウメバチソウは北方系の植物で、山のふもとや高山の日当たりのよい所に生育する多年草です。温暖な壱町田湿地では秋の終わり頃に見頃を迎えます。
C湿地の日当たりのよい斜面ではフユノハナワラビ(ハナヤスリ科)が胞子葉をもたげています。手で揺らしてみると埃のような胞子が漂います。シダ植物の仲間ですが、秋から春先にかけ他の植物が枯れている時期にワラビの葉に似た栄養葉を広げ生長します。
壱町田湿地の紅葉、ハゼノキとヌルデです。どちらもウルシ科の落葉小高木で、晩秋には赤くきれいな紅葉が見られます。常緑樹の多い壱町田の保護区では紅葉によって季節感が感じられていいのですが、ウルシの仲間なので肌が弱い人は近寄るとかぶれが心配です。作業するときも要注意です。
小中学生ボランティアの活動では、里山の保全・管理について、林業に携わる方を講師に招いて学びました。実際にチェーンソーを使って大きくなったハゼノキを伐倒する作業の様子を見たり、雑木林内の枯れ枝などを拾い集めたりしました。
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