3月の植物

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ページ番号1002306  更新日 2022年10月21日

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イヌノフグリ(ゴマノハグサ科)

写真:イヌノフグリ(ゴマノハグサ科)

道ばたや石垣の間などにはえる2年草。茎は地をはって先だけ立ち、長さ7~15cm、ごく短い毛がある。葉はほとんど互生し柄は短い。花冠は径3~4mm、淡紅色、4裂して平らに開き、おしべ2とめしべ1。がくは深く4裂し、長さ3~4mm。果実は2個の球をくっつけた形で両面にふくれ出し、全面に細かい毛を密生、イヌノフグリの名を生み出した。国のランクでは絶滅危惧2類(VU)、愛知県ではリスト外。花期:3~4月。

オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)

写真:オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)

ヨーロッパ原産の2年草。果実の形からついた名前で、二つ並んだように見える果実を、おす犬の陰のうに見立てたもの。茎は根ぎわで枝分れし、地表をはって四方に広がる。長さ10~40cm。葉のわきから長い柄を出し、花茎8~10mmの花(るり色で径7~10mm)を1個ずつつける。がくも花冠も深く4裂し、めしべ1、おしべ2がある。属名のヴェロニカは、ゴルタゴの丘に向かうキリストに血をぬぐう布をささげたという伝説の女人の名前。花期:2~4月。

湿地での生育場所:雑木林のヘリ

オオジシバリ(キク科)

写真:オオジシバリ(キク科)

田のあぜや草刈りのゆきとどいた土手、農道のふちなどに生える丈の低い多年草。細く白い茎は、地中を浅くはい、節々から葉をだし群生する。葉はヘラ形で、下部が羽状に切れ込むことが多く、長い柄を含めて長さ6~18cm、幅1.5~3cm。花茎は高さ10~30cmになり、1~3回ほど枝を分けて先端に黄色の舌状花からなる3cmほどの頭花をつける。総ほうは長さ1.2cmほどで、外片は短く、内片の3分の1以下である。そう果は長さ7~8mmで、先は細長くとがる。冠毛は7mmほどで白く、風に乗って分布を広げる。和名は「ジシバリ」より葉が大きく立ち、花も大きいことによる。

湿地内での生育場所:湿地東の田んぼのあぜ

オランダミミナグサ(ナデシコ科)

写真:オランダミミナグサ(ナデシコ科)

平地の道端に生える越年草。ヨーロッパ原産の帰化植物。茎は直立~斜上し株になって、高さ10‐30cm。腺毛が多く、いくらか粘った感じがする。葉は対生し、やや淡緑色で卵形、長さ7‐20mm、幅4‐12mm。花序は蜜で、小花柄は短い。花弁は白色で2浅裂し、がく片5、おしべ10、5花柱をもつめしべ1からなる。花期:3‐5月。

湿地内での生育場所:駐車場

コオニタビラコ(キク科)

写真:コオニタビラコ(キク科)

春耕前の水田などの湿地に生える2年草。根生葉はロゼット状に広がり長さ4~10cmで、羽状に分裂する。茎は多く出て長さ4~20cm。頭花は散房状につくが、のちに花柄がのびて長さ3cm程となり、下垂する。小花は6~9個で、冠毛がない。花冠は長さ5.5cm。果実は、長さ3.5cm程で少し扁平。先端に2本の短い角がある。タビラコ(田平子)とは、田んぼに平たく、くっつくように生育することからついた名前。早春の若苗は食用になり、春の七草では「ホトケノザ」と呼ばれている。早春のロゼットを仏像の台座に見立てたもの。花期:3~4月。

湿地内での生育場所:田んぼのあぜ

シハイスミレ(スミレ科)

写真:シハイスミレ(スミレ科)

西日本の水はけのよい山野に生える。マキノスミレはこの変種。葉は2~4枚ほど斜め上に伸ばし、長さは2~5cmくらいで、基部が深くえぐれ、長卵形~披針形で先は急に細くならない。両面とも無毛で、上面にやや光沢があり暗緑色から濃緑色、下面は紫色。花は径12~15mm、淡紅紫色から濃紅紫色、側弁は普通毛がなく、きょは細くて長さ5~7mm。日本名は紫背スミレで、葉うらが紫色をおびることによる。花期:3~4月。

湿地内での生育場所:湿地出入口付近

ショウジョウバカマ(ユリ科)

写真:ショウジョウバカマ(ユリ科)

山野の湿った所に生育する多年草。紅色の花の色から猩々(しょうじょう:人に似た想像上の怪獣)と、ロゼット状の根生葉から袴を連想し名付けられた。春の新葉に先立って1本の茎が出て、高さ10~40cmとなる。頂に3~10個ほどの花がかたまってつく。花ははじめ淡紅色から淡紫色に。花被片6枚は同形で1cmあまり、めしべは1本、おしべ6本。花が終わると、花茎が急に伸びだして30~40cmにもなる。古い葉の先に新しい小さな苗がつくことがある。花期:3月。

湿地内での生育場所:B・C湿地

シロバナショウジョウバカマ(ユリ科)

写真:シロバナショウジョウバカマ(ユリ科)

山野の湿った所に生育する多年草。紅色の花がつくものは、ショウジョウバカマ。春の新葉に先立って1本の茎が出て、高さ10~40cmとなる。頂に3~10個ほどの花がかたまってつく。花は白く、花披片6枚は同形で1cmあまり、めしべは1本。花が終わると、花茎が急に伸びだして30~40cmにもなる。葉はややうすく、縁が細かい波状になる。古い葉の先に新しい小さな苗がつくことがある。本州(関東以西)・四国に分布。花期:3月。

湿地内での生育場所:C湿地

スズメノカタビラ(イネ科)

写真:スズメノカタビラ(イネ科)

庭、道ばた、田畑などどこにでも生える小型の越年草。「雑草」のなかの雑草で繁殖力・適応力の高いつわものである。冬でも青々とし、2月には花をつける。草丈10‐25cm。葉は長さ2‐8cm、幅2‐4mm、軟らかくて葉先は上面が軽くへこんでボートの舳先のような形になる。花序は長さ数cm、枝は横に広く開きなめらかである。小穂は淡緑色、ときに一部紅紫色、4‐6個の小花よりなって長さ3‐5mm。花はおしべ3、めしべ1(2深裂)。めしべの先は羽のように細かくけばだっている。カタビラは一重の着物、簡単な着物という意味でこの穂の様子を言ったようだ。花期:2~10月。

湿地内での生育場所:駐車場

タチイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)

写真:タチイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)

ユーラシア大陸原産の帰化植物。1~2年草。明治のはじめに渡来、現在は全国に分布し、雑草化している。茎はほぼ直立し高さ10~30cm。葉は対生し、大部分は柄がなく、両面とも短毛がある。上方の葉ほど小さくなって互生となり、ほう葉に移り変わる。片側に1~3個のきょ歯があり、それぞれ1花を抱く。花は柄がなく、径3~4mm、コバルト色で、おしべ2、めしべ1がある。果実はへん平でへりに腺毛がある。種子は20個内外。花にも果実にも柄のないことが、オオイヌノフグリ・イヌノフグリ・フラサバソウにない特徴である。花期:3~6月。

湿地内での生育場所:駐車場

ヒサカキ(ツバキ科)

写真:ヒサカキ(ツバキ科)

東北地方以南の山地に生える常緑小高木。幹は直立し、高さ4~8m。葉は互生し、長さ3~8cmの楕円形、葉のわきに花径5~6mmの花を開く。花弁は5枚で白色からやや紫色を帯びる。従来は雌雄異株とされているが、両性花株の存在も確認されている(浜島繁隆著:知多半島の植物誌)。壱町田湿地の雑木林でも両性花株を確認した。果実は球状で直径4~5mm、晩秋に黒紫色に熟す。和名の由来は姫サカキ、火サカキ(若葉が赤い)、非サカキ説などがある。東日本の神事ではヒサカキが多く使われる(西日本ではサカキ)。花はむせかえる匂い。花期:3月。

湿地内での生育場所:雑木林

ヒメカンスゲ(カヤツリグサ科)

写真:ヒメカンスゲ(カヤツリグサ科)

林の中のやや乾いたところに生える多年草。高さ20cmほどで、葉は硬く幅3mmほど、暗緑色で冬も枯れない。早春葉の間に何本もの茎を立て、3‐4個の小穂をつける。頂のものは雄花で暗褐色のりん片をもち、雌花の小穂は、長さ1‐2.5cm。雄花は、1枚のりん片の内側におしべが3本かたまってあるだけ、雌花は1本のめしべ(花柱は2‐3深裂)が、果胞というつぼの中につつまれたもので、それ以外には花弁もがくもない。果胞は長さ3mm、くちばしが長く、先は2列する。常緑のスゲのうち、最も普通なものの一つ。花期:3~4月。

湿地内での生育場所:A湿地

ホトケノザ(シソ科)

写真:ホトケノザ(シソ科)

1年草または越年草。茎は根ぎわで何本も分かれ、群がって立つ。葉は対生し、長さ1~2cmの扇状、上部では柄がなく段状に茎を抱くようにつく。節ごとに唇形花を輪生するが、閉鎖花もある。花冠は紅紫色、長さ17~20mm、細長い筒の先は上下2唇に分かれる。外面には短毛が生える。春の七草の「ホトケノザ」ではない。二枚の葉の茎を取り巻く形が、蓮華座(蓮の花をかたどった、仏像をすえるための台)に似ていることからついた名前。花期:1~6月

湿地内での生育場所:雑木林のへり

マメカミツレ(キク科)

写真:マメカミツレ(キク科)

オーストラリア原産の小さな1年草。1940年頃中部以南の都市部で見出された帰化植物。茎は地にねて長さ5‐25cm。葉は細かく羽状に裂け、長い軟毛がある。頭花は長い柄の先に1個ずつつき、径5‐8mm、黄緑色。中心には両性花または雄性の筒状花があり、黄白色で花冠の先は4裂する。雌花は周りにあって、花冠がなく裸のめしべだけからなる。花期:年中。

湿地内での生育場所:駐車場のすみ

ミチタネツケバナ(アブラナ科)

写真:ミチタネツケバナ(アブラナ科)

越年草または1年草。空き地や畑のまわりなどに増えている。冬から春早くに発芽しロゼットをつくる。根生葉は密に出て、羽状に深裂~全裂。羽片は広楕円形で頂羽片が大きい。濃緑色で茎はやや暗紫色を帯びる。早い時期に根生葉の間から茎を立てて、総状花序をつける。高さ5~15cm。花は小形で花弁の長さ2~3mm。花弁4、おしべ4。果実は細長い角果、柄は斜上、果実は立ち長さ2cmほど。果皮は2個で熟すと巻き上がり種子を散らす。花期:2~4月。

湿地内での生育場所:雑木林のへり

ヤマザクラ(バラ科)

写真:ヤマザクラ(バラ科)

落葉高木(20~25m)。日本の野生のサクラの代表種。樹皮は紫褐色で光沢があり、横にはげる。葉は互生し、長楕円形~卵形で、縁に鋭い鋸歯がある。裏面は白色。花は5弁で散房状に2~5個つく。開花と若葉が出るのとほぼ同時。皮目が美しい樹皮は樺細工に使われる(民芸品)。山地を中心に生え、新潟県・宮城県以南に分布。花期:3~4月。

湿地内での生育場所:雑木林のへり

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