3月に入り、春の気配が感じられるようになってきました。しかし、寒い日が長く続いたせいか、例年に比べると壱町田の花の開花も少し遅れ気味です。そんな中、自然は活動し始めています。3月初旬の壱町田湿地の様子です。
先月紹介したツチイナゴ(イナゴ科)同様、越冬するバッタの仲間でクビキリギス(キリギリス科)です。枯草を集めていたら、中からひょっこり現れました。動きは遅く、活動を始めるにはまだ少し早そうです。脇の草むらに放してやりました。
冬から春にかけて壱町田湿地に時折現れるダイサギ(サギ科)。小さな湿地には不釣り合いなほど大きな体ですが、池にいるアメリカザリガニやメダカなどを目当てにやって来るのでしょう。池底に歩き回った足跡がよく見られます。
B湿地の下に小さな池がありますが、夏にはニホンイシガメ(イシガメ科)がよく甲羅干しをしています。3月の初旬、水に潜るカメの姿を見ました。冬眠から覚めて活動を始めたようです。ちなみにこの日の水温は11.0度でした。この池は湧水が流れ込むため水温が少し高いのです。
D湿地の畔でツクシが出ていました。ツクシはスギナ(トクサ科)の胞子茎です(スギナは栄養茎)。まだ一面には出てきてはいませんが、陽だまりの中、ツクシを見るといよいよ春の訪れを感じます。
B湿地にミツバツチグリ(バラ科)の花が一輪咲いていました。ミツバツチグリは日当たりのよい山野やあぜ道などにも生える多年草で、花期は4~5月です。少し早いですが今年最初の一輪です。
保護区内にたくさん生えているヒサカキ(モッコク科)の枝には蕾がびっしりとついています。もう咲き始めてもよい頃ですが、今年は少し遅めです。あと数日で次々と咲き始めるのではないでしょうか。この花が壱町田湿地に春の香りを運んでくれます。