7月19日の一般公開では、数年ぶりにハッチョウトンボ(トンボ科)の姿が見られました。ハッチョウトンボは1円玉ほどの大きさで、日本一小さなトンボとして知られています。平地から丘陵地、低山地にかけての湿地などに生育していますが、近年の開発や環境汚染によって、著しくその数を減少させています。以前は壱町田湿地でもよく観察されていましたが、十数年前からは見られなくなっていました。今回確認できたのは雄のトンボ1匹でしたので、おそらくどこからか迷いこんできたのではないかと思われますが、壱町田湿地でハッチョウトンボが見られたことは大変嬉しいことでした。
8月の一般公開では、ハッチョウトンボに加えてヒメミミカキグサ(タヌキモ科)も見ていただくことができました。壱町田湿地では4種類のミミカキグサの仲間を見ることができますが、ヒメミミカキグサはとても小さく探すのに苦労します。写真では左隣のミミカキグサと比べると大きさの違いがわかるかと思います。
<観察場所>ハッチョウトンボ・ヒメミミカキグサ:B湿地
今年の梅雨は長雨が続きましたが、7月末の梅雨明けからは一転して暑い晴天が続いています。壱町田で見られる虫たちも夏の装いです。蝉しぐれの中、観察路沿いのコナラ(ブナ科)の木には樹液を求めてカナブンやチョウなどがよく集まってきます。一般公開では姿を見せませんでしたが、カブトムシやコクワガタもやってきます。
湿地の水辺では、この時期シオカラトンボ(トンボ科)やオオシオカラトンボ(トンボ科)が飛んでいます。運がよいとオニヤンマ(オニヤンマ科)やギンヤンマ(ヤンマ科)にも出会えます。
今後の一般公開日の予定は9月12日(土)・13日(日)です(雨天中止)。新型コロナウィルス感染防止のため、ご来場の際はマスクの着用をお願いします。また、検温及び来場者カードの記入にもご協力をお願いします。
<観察場所>コナラ:観察路周辺 オニヤンマ:A湿地 ギンヤンマ:D湿地
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