給与所得控除の見直し(上限額の引き下げ)
平成26年度の税制改正により、給与所得控除の見直しが行われ、平成29年度課税分(平成28年1月1日から12月31日の間に得た収入)から、給与所得控除の上限額が段階的に引き下げられることになりました。
適用年度 | 平成26年度から平成28年度課税分 | 平成29年度課税分 | 平成30年度以降課税分 |
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上限額が適用される給与収入額 | 1,500万円~ | 1,200万円~ | 1,000万円~ |
給与所得控除の上限額 | 245万円 | 230万円 | 220万円 |
日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の書類の添付義務化
平成27年度税制改正により、平成28年1月1日以降に支払いを受けた所得に係る所得税の確定申告、町・県民税申告、源泉徴収および年末調整等において、国外居住親族に係る扶養控除等の適正化の観点より、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、「親族関係書類」と「送金確認書類」をそれぞれ申告書等に添付、もしくは提示しなければならないこととなりました。
※16歳未満の扶養親族、配偶者控除および配偶者特別控除を含む
※給与等や公的年金等の源泉徴収、給与等の年末調整の際に提出または提示した場合は、申告書等に添付、または提示する必要はありません
※外国語で作成されている書類については、その書類の和訳分も添付する必要があります
親族確認書類とは
親族確認書類とは、次の1または2のいずれかの書類で、国外居住親族が納税者の親族であることを証するものです。
1.戸籍の附票の写し、その他の国または地方公共団体が発行した書類および国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
2.外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類で、国外居住親族の氏名・生年月日・住所または居所の記載のあるもの
送金関係書類とは
送金確認書類とは、次の1または2のいずれかの書類で、その年に国外居住親族の生活費や教育費に充てるために支払ったことを明らかにするものです。
1.金融機関の書類またはその写しで、その金融機関が行う為替取引により国外居住親族に支払ったことを明らかにする書類(送金依頼書等)
2.いわゆるクレジットカード会社の書類またはその写しで、国外居住親族がクレジットカード会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品を購入したこと、およびその商品購入代金に相当する額を居住者から受領したことを明らかにする書類(クレジットカード利用明細書等)
金融所得課税の一体化による改正
公社債等については、利子・譲渡・償還によって課税の仕組みが異なってきましたが、税負担に左右されずに金融商品を選択できるよう、平成25年度税制改正において、株式等の課税方式と同一化することとされました。
また、特定公社債の利子および譲渡損益並びに上場株式等の金融商品間の損益通算範囲が拡大され、上場株式等と公社債等の特定口座への受け入れおよび3年間の繰越控除が可能となります。
これに伴い、従来まで可能であった上場株式等と、一般株式等(非上場株式等)の間では、損益通算を行うことはできなくなります。
※公社債については、一般公社債等と特定公社債等に区分した上で、課税方式が変更されます
平成27年12月31日まで | 改正後(平成28年1月1日以降) | ||||
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内容 | 所得区分 | 公社債等の税率 | 所得区分 | 特定公社債等の税率 | 一般公社債等の税率 |
利息利子 | 利子所得 | 源泉分離課税 (申告不要) | 利子所得 | 申告分離課税 20% (所得税15%、住民税5%) | 源泉分離課税 (申告不要) |
売却益 譲渡損益 | 譲渡所得 | 非課税 | 譲渡所得 | 申告分離課税 20% (所得税15%、住民税5%) | 申告分離課税 20% (所得税15%、住民税5%) |
償還差益 | 雑所得 | 総合課税 所得税5~45% (超過累進課税) 住民税10% | 譲渡所得 | 申告分離課税 20% (所得税15%、住民税5%) | 申告分離課税 20% (所得税15%、住民税5%) |
※特定公社債とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年12月31日以前に発行された公社債などの一定の公社債をいいます
※所得税においては、平成25年から平成49年までの間に生じる所得について、確定申告や源泉徴収の際には、表中の税率とは別に2.1%の復興特別所得税が課せられます